インナーネット ワーク「世界を創る」
星川 淳(アシスタント:中野民夫)
プレイルームに全員が輪になって座る。最初に中野さんによるオープニング。星川さんの著書・メルマガを読んだことのある人と口火を切る。著書、メルマガともに参加者の1/3程度が読者。星川さんの業績が説明された後、このワークショップにおける創造の誘発に関する説明が行われた。
●瞑想への導入
このワークショップでは、今という時を真実として受け止めて、自分を通して今何が発現されたがっているのかということをみてみる。今という時とは、我々と同じ心と体を持つ人々が地球に暮らし始めた2万5千年前から、プルトニウムの放射能が半分となる2万5千年後までのことであり、我々の責任の及ぶ範囲5万年は長く、その時を感じなければならない。
このワークショップの入り口は3つ。
水
呼吸
自然
この3つの入り口から入り、どのように通るかは自分の感じ方しだいである。今まで生きてきて水は媒体として触れており、学びの始まりとしても重要。水は地球の血液、循環していてなければ生きられない。そのような水を利用して誘導瞑想を行う。
呼吸して、鼓動がある。これらは常に自分とともにあり行動をともにしている。これは進化の最先端であり終わらない奇跡、すなわち創造である。しかし、現世のさまざまなしがらみに囚われて忘れられがちである。
●創造が生まれる場
創造へのキーワードは3つ。
1. 枠組
2. 内発
3. 表現
さまざまな面において枠組みがあることは否定できない。限界・制限により出来ないことは当然あり、またそれらがあることにより出来ることもある。内発とは湧き上がるもの、インスピレーション。この内発が枠組に流入し突破したときに創造が生まれるが、そのためには表現の場が必要であり、伝える技術が必要である。コミュニケーションと芸術はある意味対極に位置するものであるが、どちらも表現の強い形である。表現できて始めて創造が生まれる。
●瞑想のワーク
今一番気になっていることという題で、スタッフを除く37名が自己紹介した後、各自横になりリラックスするために体の力を抜き、3回ため息をつく。目は閉じて意識はどこにも向けてはならない。徐々に呼吸をしている自分に気づく。新しい空気が入ってくる感じ、吐く息の感じ、それぞれが同じか違うかを感じる。星川氏の言葉により呼吸を媒体とした瞑想へ。
「入ってくる呼吸はエクスタシー、出て行く呼吸は安心感、信頼である。空気は地球全体を取り巻いており、生きている限り人間の呼吸は続く。地球は生命としてすべての生物と関係しあって生きている。人間もその一部である。空気は今まで存在したすべての生物が関係しあって、今あるちょうどよい成分となった。空気の9割が生物が存在しないと生成されない特別なものである。すなわち吸う空気と吐く空気は成分が異なる。この空気を交換する感じを感じてください。吸い込む空気は植物からのプレゼントであり、空気を吐き出しすべての生命への贈り物を捧ぐ。呼吸を続けながら水のイメージへ」
さらに星川氏は川で水が流れる音を流し、水のイメージを導入する。言葉による枠組の気付きへと向かう。
「好きな水のイメージを思い起こしてください。そしてそのそばに寄り添うようにしてください。森の隣の水のほとりで呼吸をします。森呼吸してください。この水も流れ、循環し、山・町に降り注ぎ命を育みます。呼吸を続けてください。水は地球の血液、その畔で呼吸を続ける。自分の傍らに流れている水を少しずつ堰き止めてみます。自分のやりやすいように。自分の器には制限があります。この制限を使って、例えば石や砂を使って、堰き止めようとしてください。出来ますか。呼吸を続けてください。溜まってきましたか。呼吸を続けてください」
星川さんの凛とした低音が響き続ける。「森との呼吸交換をしながら水を溜めていきます。溜まってきましたか。圧力がかかってきましたね。呼吸を続けてください。だいぶ溜まりましたね」
そして、前述の【2.内発】が【1.枠組】を押しのける瞬間がやってくる。
「やぶれます。堰き止めたものが水にやぶられました。呼吸を続けてください。堰き止めたものを押しのけ、もう一度流れはじめました。どのようなものがみえますか。どんどん溢れています。呼吸を続けてください」。誰も見ていない中、大きな手振りから体全体を使って水の流れ、溢れていく様子を星川さんは表現している。「溢れ続けるといつかまた元の流れに戻ります。最初にイメージした流れに戻ります。それをイメージします。どのように変わったでしょうか」
そして、ゆっくりと現実にある部屋に戻る。
4人のグループを9つ作成し、感じたこと、考えたことをシェア。その後、輪になって印象に残ったことなどを全員にシェアする。
・水を堰き止めたり、流したりしたときにそれを象徴する人間が現れた。
・呼吸と波がシンクロした。
・蓮華畑の煌めきも吸っているが、アフガンの硝煙も吸っていた。
・吐く息は自分の一部となってでていき、安心なものとなり周りと一緒になる。
・きれいな川で堰き止めたくなかったが、新たなものが生まれ、制限・限界とは悪いものではないと理解した。
などの発言が出てきた。
●着想と表現
その後、野外へ出て、自然と世界の声を聞きながら何らかの訪れ(インスピレーション)を待つ。
着想を持ち帰って、前述の【3.表現】の場で発表を行うためのアイデアを形にする作業に入る。
今回用意された表現の場は『X財団市民創造活動支援基金』。とある財団が活動内容、形式を問わず、アイデア、計画を募集する形を取る。最長1年間の創造活動への援助である。10分程度から1時間以上かかる人まで様々だが、自然から何かを感じ取った順番にばらばらとプレイルームに戻り、各々紙媒体にアイデアを描く。その後星川さん率いる「海」と中野さん率いる「山」の2チームに分かれて、一人2分の発表を行った後、合流した。全員で円を描いて座り気になった発表を3件他薦し、推薦された人が説明を行った。
・ 新時代大サーカス:千人収容可能な船で世界中の港を回りワークショップを行う
・ 世界母娘サミット:母と娘を軸にその前後数世代ずつのつながりを考え、7世代をキーワードに幸せの創造の連鎖をつくる
・ 静けさの標本:静けさを標本化し1年で100の標本を作製。静けさを閉じ込める過程を重視する。
●クロージング
自分なりの創造性の鍵は何であったのかをキーワード一言で表わす。「気づく瞬間とはどういう時か」「自分の中に生み出されたものは何か」が選ばれ、各自好きな方の問いに答えた。
●ふりかえり
その日の夜、ふりかえりに集まったのは14名。輪になって椅子に座り話し始める。なぜ星川さんのセッションをふりかえりに選んだのか、と言う問いに、「消化不良」「創造できなかった」「ワークのつながりがよく分からなかった」などの答えが多く噴出し、もやもや感を持つ人が多かったことが分かる。ふりかえりが進むにつき、もやもや感自体は残るものの、質が変化してゆき、納得がいくという発言が多くなり、ふりかえりの重要性が認識されて終了した。最後に残されたもやもや感を払拭するため、オブザーバーであった中野氏が、もう一度枠組、内発、表現という創造性の三要素に関する話を行い、ふりかえりは終了した。
(レポート:小笠原啓一)