関心別のフリー セッション−1(研修室2)

あみだくじで決まった研修室2のゲストは、難波克己さんと加藤哲夫さんの2人。彼らを囲んで、22名の参加者が集まった。
最初にあがった、「アイスブレーキングしてほしい」という参加者の声に、快く難波氏が応える。まずは目の体操から。両手を目線まで持ってきて人差し指、中指、薬指、小指の先をそれぞれ合わせる。じっと指を見つめ、少し指を離す。するとなんとソーセージが宙に浮かぶ。こういう時、あまり詳しく説明しないそうだ。見えた人が見えない人にコツを伝える。これを“ダブルビジョン”と言う。これだけでコミュニケーションが既に始まっていた。
次は片手の親指を折り、4本の指をじっと見つめる。「指は何本見える?」ソーセージの要領で見ると8本見えることになるが、数えようとすればするほど見えなくなる。子どもは簡単に見ることができるが、大人になればなるほど見えなくなるという。
立ち上がり右手の人差し指を立て、左手は開き隣の人の人差し指の上に軽く乗せる。合図の声で左手で隣の人の人差し指を掴まえる。人差し指を立てた右手は下へ逃げる。これはだいたい掴まえそうだ.....が、何名か掴まえられない。「『ずいずいずっころばし』のように手をグーにして実施するタイプもあるが、ムキになって怪我する場合があるので、こちらの方法がお薦め」。みんなが自然に笑顔になる。
今度は、両手を膝に置く。スタートの人が膝をたたく。隣へ隣へとウェーブのように続いていく。スタートは両膝なので、両隣へ続いていく。交差するあたりの人はちょっと戸惑う。手をそれぞれ両隣の人の膝に乗せる。先程と同じルールでやってみる。順番が違うので、リズムよくできない。次に、2回たたくとバックする。グーで叩くと一つ飛ばし。これまた混乱。
さらに、スタート位置が増える。スタートの信号が同時に8つ出る。こうなると10秒もしないうちに、ほとんどの信号が消える。コミュニケーションの難しさ、大変さを身体を通して皆が感じた。楽しそうな笑い声と歓声があがり、はじめは何が始まるのか、と緊張していた雰囲気はどこにもなくなっていた。
緊張感がほぐれ、ここでようやく自己紹介が始まる。
「アドベンチャーって何だろう? 冒険者には3つある。『冒険を伝えていく人』『冒険を教育する人』そして『冒険する人』。アドベンチャーは人生だ。生きていくことが、ある意味アドベンチャーである」と、難波さん。
この言葉を引き継いで、加藤さんは「座っているだけでもアドベンチャーできる」と言う。「各地にいる仲間や繋がりのある人。会いたいなぁと思ってもすぐには電話しない。そろそろ本当に会いたいなぁと思うと、たいてい電話がかかってきたり、訪ねて来てくれる」そうだ。「待っているといいことがあるよ」と微笑みながら。そして、「体調が悪いくらいのほうが、原稿がはかどる」とも。
加藤さんが続ける。「『NPO活動をしています』と名刺を差し出す人は信用しない。NPOというのは非営利団体のことだが、普通目的を持って、信念を持って活動している人は『NPO活動をしています』ではなく活動の中身を言う。例えば『まちづくりの活動をしています』など。だからNPOを名乗る人は信用できない。また行政の人はNPOについて知らない人が多い。バリアだらけなので、このバリアを崩すことが大変」。
さらに、「市民活動」「NPO」「NGO」「ボランティア」に関する記事は年間どのくらい新聞に載っているか? という問いかけが加藤さんからあった。これに対して参加者からは、「500から1000くらい」「3000くらいあるのでは?」などの意見が出た。答えは約1万3000件だそうだ。「これだけ社会に溶け込んでいるように思える活動だが、まだ行政の理解度は低い。行政に対しては知らないことを前提とした話の仕方が必要だ」と、加藤氏は言う。
初日だったせいもあるのかもしれないが、参加者が積極的に何かを話すというより、ゲストの話を聴きたい、少しでも何か学んでおきたい、体験したい、というのがこのコミュニティ・オブ・インタレストの全体の雰囲気だった。
(レポート:深川聖美)