開会〜イントロダクション、ゲストセッション

13時、講堂のドアが開放されると、参加者は少しずつ中へと入り始める。これからここで何が始まる?期待と不安と緊張と、さまざまな思いがカオスとなっているような波動がピリリと伝わってくる。それぞれ座布団を持って思い思いの場所へ座っていく。スタッフのテンションも上昇気流、そして3日間のフォーラムが幕を開けた。
フォーラム全体の司会進行役を務める西村実行委員長と森川事務局長から簡単に自己紹介、フォーラム開催までの流れについての説明。そして、参加者に混じっていたスタッフが、役割毎にスタンディングして参加者に顔明かしする。続いて、司会者から参加者に質問が投げかけられる。どこから来たか、どんな世代が多いか、昨年も参加したか、などなど。
3日間のプログラムについて簡単な説明を経て、参加者の中に紛れていた今回のゲスト・ファシリテーターたちが呼ばれ、それぞれ長椅子に座っていく。司会からアシスタントを含めて一人ずつ名前を紹介され、次のようにコメントしていった。
青木:「個人でファシリテーター事務所を開業、NPO『A SEEDS JAPAN』での活動経験を活かしている」
加藤:「NPOを支援するNPO、出版社のカタツムリ社代表、市民が暮らしを取り戻す活動をしている」
川嶋:「標高1400mの清里からやってきました」
岸:「パンフレットに写っている一番堅そうに写っている写真が私です。コーチはボールをぶつける人だと思っている?コミュニケーションで自分自身を深く探ってみましょう」
金:「大阪YMCA出身、人間に関わることやホリスティックな全体的・横断的・包括的に人間と社会やいのちを考える」
難波:「外での活動を主にやっているが、室内でもアドベンチャーはできる。地球が平和になることを目指して。このフォーラムは、『であい』という鍋だと思う。クリエイティビティが信条」
パベル:「アメリカで心理学の教授、企業コンサルタントなどをこなしている。自分の命題は、機械的世界をいのちあふれた世界へかえること。私は、人間性のプロセスにおける編み込みをするという意味で『編む人』でもある。今、私たちは自然の中に編み込まれているだろうか?」
中野:「社会人になってからアメリカへ留学、そこで出会った先生がパベルさんだった。参加型の学び、コミュニティ、場をつくることを学んで帰国しました」
西田:「国立青年の家が独立行政法人になった後、民間からの採用で所長になる。もともと教会の牧師で、聖マーガレット生涯教育研究所で20年間、体験学習法に関わってきた」
ゲストの自己紹介を一通り終えて、会場はそのまま「フリップボードセッション」へ移行。ゲストにあらかじめ訊いていた「他のゲストに訊ねてみたいこと」を問いにして、ボードに書いて示してもらいながらの進行だ。質問と答えは、およそ次の通り。
質問1:自分のファシリテーターとしての対象は?
青木:「行動している青年」
加藤:「市民、住民、行政、NPO」
川嶋:「自然体験型環境教育の企画者」
岸:「『壁を越える』人」
金:「幼児からうーんと高齢者まで(学校教育、企業、行政)」
難波:「チームビルディング、アドベンチャーを使ったカウンセリング、障害を持った人たちや学校関係者など」
パベル:「心の悲しみや痛み、毒で汚染された状態に対してコンサルタントし、活き活きとした場をつくり出せるかどうか。多文化中心主義の組織など」
中野:「社会教育、教育、市民活動、NPO、ビジネス(企業)、環境、納得できる生き方や社会を求めている人々、学び合って生きているということ」
西田:「環境系、人間関係系(小学生〜、学生、社会人〜、子どもエコクラブ)、中国の人たちとの出会い」
質問2:自分の仕事をファシリテーターという言葉以外の言葉であらわすと?
西田:「自分好き人間つくり 自分を好きにならなければ人を好きになれない。」
中野:「そそのかし、つなぎ、場をつくる」
パベル:「編む人、ものを始める人、庭師、種を植える人であり、雑草を取る人である。産婆をしているようなもの、coming outを手伝う人」
難波:「モティベーター、人を動かす人、刺激になりたい」
金:「応援する人、助産士さんはファシリテーター。全てのいのちが全て愛する可能性を秘めている」
岸:「人と人が会うと、やろうという気が起きる。インスパイア、ペテン師、突破口をみつける」
川嶋:「お産婆さん。本当はこうしたいんでしょ!と言うことであり、ファシリテーションは機能であって人ではない。僕が何かしたいんじゃない。人を動かすということ」
加藤:「もぐらたたきはもう辞めた運動家。後から片づけをするのではなく、しくみやシステムを考える」
青木:「力づけ、元気づけをする役割、ホントにこれでいいの?刺激物」
質問3:人をどんな存在としてみているか?
青木:「まだまだ力のある存在」
加藤:「わからない。人は予想を裏切るものだから」
金:「神様に愛されて、つくられた芸術品。可能性である」
岸:「自分であり、white holeである。自分の世界をつくっているもの、それを追求するといろいろ出てくる。」
西田:「参加者を信頼する、したい。人間とはお互い信頼に値する存在」
川嶋:「みんな役割がある。19歳も、77歳も、それぞれのワークショップがある」
中野:「いろいろな層がある存在」
難波:「自分を動かしてくれる人、心、人は鏡、これから一緒に何かを創りだしていく人、バランスが大事、比喩で言うと、闘牛士のような」
パベル:「私たちはいったいどこから来たのか?一人一人会った人が変化を与えてくれる。このワークショップの後で全く別の人になっているかもしれない。私はどうやって何を愛するか、成長するか、私の気づきだけでひらくことができるのか。一人一人の波動、歌が外に放たれる。この世界で起きていることとこの部屋で起きていることは同じ」
質問4:ジェンダーが自分のファシリテーションにプラスかマイナスかに働くことがある?
川嶋:「ある。オヤジと対峙した時」
難波:「自分よりも相手がそう感じている。年齢、女性が持っている男性像や文化の違いなど」
西田:「ほとんど感じない歳になりました。しかし、プラスもマイナスも....」
金:「ある。しかし、マイノリティはプラスだと思っている。DVの対応や女性、加害男性のプログラムに男女のファシリテーターを用意している例もある」
岸:「ある。でも、わからない方が探究できる。GE社の29才女性のコーチは、異質なものを取り込むのがうまかった。女性の方がコミュニケーションは感覚的、頭に入ると存在同士で一緒にいる」
加藤:「ある。男のおばさんだと、30代くらいから言われている」
中野:「+>− 無自覚でいることは意識してない」
パベル:「性別は一種の箱のようなものだと考えている。2次元的考え方を壊すと、どれだけたくさんの性別があるかを考えられる。カナダ、ブリティッシュコロンビアには6つの性があるという(male, female, gay, lesbianなど)」
青木:「+−あるが、自分としては何だかまだよくわからない。マジョリティであり、マイノリティであると思う」
ちょっと捻りの効いた問いかけに、ゲスト一同、しばし考え込んだり、書く手が止まったりする姿も見られたが、出てきた答えはどれも、百戦錬磨のファリシテーターらしさを表していたようだった。
(レポート:蓮見直子)