スタッフブログ
2009年01月12日
暮らしのプロセスが見えるということ
新学期になり、子どもたちの日常が始まりました。盆正月、親戚が行事に集う場面にも似た今回の『雪国留学』。さまざまな体験は、そこでしかできないことだったとしても、日常のどこかでふと思い返すことがきっとあるでしょう。煙でいぶされた衣服の残り香をかいだときに、囲炉裏や土間を思い浮かべるのかもしれません。
ある子どもは、「新潟はエコだった」ということが印象に残ったと言い、冬休みの課題の中でまとめるそうです。ある子どもは、手を切るような水の冷たさに、普段、蛇口を触れば(触らなくても)お湯が出て来ることのありがたさを感じたようです。
しただテラ小屋のみなさんが準備を周到にしてくださり、生活の流れをしっかり支えて下さったことで、子どもも大人も時間の中に思い切り没入することができました。

東京からのバスが現地に到着し、列車で向かっている参加者を待つ間、「暗くなる前に雪遊び」と挨拶もそこそこに裏庭で遊びはじめました。

木になったまま完熟した柿をとってもらいました。雪の中でシャーベットになった柿は甘くて、子どもたちは「かきごおり」と呼んでいました。

山から引いて来た水をバケツリレーで外のドラム缶風呂に張っていきます。内風呂は石のお風呂。

雪の中を歩くためのかんじきを作るのに、地元の飯塚源輝さんに教えてもらいます。見事なロープワークは、そのとおりに作ると雪の結晶のように美しく、ちょっとやそっとでは解けない頑丈なかんじきになっていきます。夢中になっているうちに、夕食は新潟のみなさんが作ってくださっていました。

みんなで作った雪の灯籠に明かりを灯すと、幻想的な雪国の夜を感じました。

食器の洗い物をする横で、薪で風呂を焚きます。気がつくと夢中になっている離れがたい仕事です。

子どもたちを迎えるために遠藤ケイさんがこのお屋敷のことを物語にして書き下ろしてくれました。ケイさんが描いた物語に登場するものたちの絵を投影しながら、そのお話をみんなで聴きました。
投稿者 森川千鶴
2009年01月07日
雪国の暮らしに触れて
3日間のワークショップ&フォーラム、無事終了しました。
大人と子ども、子ども同士、大人同士、参加者同士、新潟のみなさんやスタッフ、ここで出会った多様な関係の中で、さまざまな体験を共有しました。
暖かいもてなしや、大切なものを「伝えたい」という大人たちの思いに、子どもの豊かな感性が呼応し、大人も元気になっていく、という相互作用が確かにありました。
その様子を、少しご紹介したいと思います。

2日目の朝、自分で作ったかんじきをはいて山に登りました。空は晴れて来て、畑や畦に積もった雪の上で、雪遊びをしました。

「大勢で『いただきます』といって食卓を囲めたことがとてもよかった」と話す参加者。大家族の朝ご飯。

2日目の夜、民家の中の『八木Bar』で、大人だけのフォーラムの時間。同じ時間に子どもたちもいい時間をすごしていたようです。それは。。。
投稿者 森川千鶴
2009年01月02日
雪国留学へ
新しい年が始まりました。大きな世の中の流れを感じながら、そのとき、居る所からできることをひとつひとつやっていこうと思います。
明後日から、子どもワークショップフォーラムは、新潟を訪れます。年末には改めて、NPOしただテラ小屋のみなさん、遠藤ケイさんから、『雪国留学イン新潟・しただ郷』として、準備を進めて下さっている様子が伝えられました。その土地、その場所をじっくり感じられる時間を過ごすことができそうです。
このフォーラムで大事にしたいのが、体験のふりかえりと参加者同士(われわれや新潟のみなさんも含めて)の対話。地元の方々と一緒に過ごしながら、どんな対話の場をつくっていくか。ファリシテーターたちの腕の見せ所です。

庭月の家のすぐそばにある名勝八木ケ鼻。
投稿者 森川千鶴
2008年12月17日
もうすぐお正月
あっという間に今年も暮れてゆきます。
子どもの頃、年末の大掃除の障子の張り替えが楽しみでした。思い切り破ってもかまわない、という無礼講さにわくわくして、きょうだいやいとこたちと縄張りやスピード、趣向を争ったものです。霧で吹いた水が乾いて、障子紙がピンと張ったときの清々しさに気持ちが引き締まりました。
「伝えたい」という主体と、関心を持って取り組む主体が出会った時に、学びや継承が生まれるのだと思います。どちらの主体も尊重されるような出会いを丁寧に作っていきたい。そういう思いで新潟に出かけてきます。
現在、定員より少なめですが、受け入れていただく準備もありますので、いったん申し込みを締め切らせていただきます。都合がついてやっぱり参加できそう。。。、という方がおられましたら、こちらまでご連絡ください(kodomo@skunkworks.jp宛)。
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庭月の家は、すっかり冬支度が整い、遠藤ケイさんをはじめ、NPOしただテラ小屋のみなさんが、お正月明けに迎え入れてくださる準備を進めて下さっています。
投稿者 森川千鶴
2008年12月07日
12月6日(土)トーク&ワークショップ
いつにもまして身の回りがあわただしくなった師走の土曜の夜、仕事を終えたばかりの人も含めて、代々木の会場にテーマに関心を持った様々な職種の方々が集まりました。
トーク&ワークショップ、そしてふりかえりで3時間という短い時間でしたが、密度の濃い時間を過ごしました。
「ワークショップって何ですか?」「今日のテーマは、どうして"クリエイティブは発見"なのでしょう?」「なぜ、子どもたちにワークショップが必要なのでしょう?」など、核心のテーマへの議論は尽きず、集まった人たちの関心や疑問を共有するのに、限られた時間が恨めしく感じましたが、ここでの気づきや引っかかりをそれぞれの日常や現場へ持ち帰っていただき、これからへの手がかりにしていただければ、と考えています。

ゲストの宮元さんからは、「建築とは?」から始まり、多くの映像を交えながら、これまでのご活動の経緯をじっくり伺いました。「ワークショップって何なのでしょう?自らの子どもたちとの関わりを、私は『ワークショップ』とは呼びません。『活動』という気持ちでやっているのです。」

毛糸という素材を使って、参加者全員が入れる「巣」をつくる。場所の中で、ひっかかりを探す。「人」というのはどう?ということで、支柱になった参加者も。

それぞれが手にした毛糸玉から空間が生まれてくる。

空間が広がり、密度も濃くなっていく。毛糸から生まれた今日かぎりの巣。

みんなで中に入ってみた。
投稿者 森川千鶴
2008年11月21日
ゲストインタビュー:宮元三恵さん
このフォーラムでは、ワークショップにおける大人のありようを考えたい、というテーマをきっかけに2006年から活動してきました。
注目したいゲストをお招きし、ワークショップを体験したり、対話の中で一緒に考えながら、その場に集まった人たちで学び合い、自分の活動をふりかえる機会になれば、と考えています。12月6日のトーク&ワークショップにおいでいただく宮元さんのお話を少しだけ伺ってきました。
◉活動テーマは「子どもの感覚で作る空間」
——宮元さんは、今大学ではどんなお仕事をされているのですか?
将来計画室という一人のセクションで、美術学部をこれからどうしていくか?という企画など、広報的な役割を担いつつ、自分のテーマで活動しています。
——以前、川俣正さんのもとで仕事をされていたことがありますね?
横浜トリエンナーレ2005ではディレクターチームでアシスタントをつとめる中、プロジェクトのさまざまなプロセスを学びました。これまでの1つ1つの活動が次につながっていきました。
——ご自身の活動のテーマは?
子どもが大人の目線でデザインされたものを使うのではなく、子どもの感覚で作る空間に関心を持っています。子どもが使いやすいマテリアルはどういうもの?子どもはどういうところに興味を持つのだろう?ということをいつも考えています。
雨が降るから木の下に雨宿りする。それが最初の建築だと思います。
隠れ家、動物の巣も建築的なプロセスだと思っています。

——今も一緒に拾ってきましたけど、芸大の門のそばの無患子(むくろじ)の実を集めているとか?
きれいでしょう?透けて見える黒い実は、羽子板の羽根の芯になるそうです。これほど立派な木はあまり残っていないそうです。いつか子どもたちと何かして遊ぼうと思って集めてるんですが、お掃除のおじさんがわざわざ持って来てくれたりするんですよ。
◉代表的なプロジェクトのこと
——ドイツやロンドンで行なってきた、『NEST』というプログラムがありますね。
つい先日、妙高の森の中で小学生たちとも行ないました。ひもを結んで自分たちの巣を作るというものです。単純な作業なんですが、ひもは絡むので、一緒に居る人とのコミュニケーションが必要になります。
巣は、建築になる前の最低限のもの。素材や作り方は専門家が教えることができますが、作っていくのはそれを使う人自身です。データ化できないものもいろいろありますが、リサーチに近いフィールドワークです。
『NEST』では、「場所をさがすということ」、「みんなが入れるものを作ること」を参加者のテーマにしています。私自身のテーマは、手法を限りなくシンプルにして、フィールドや年齢を問わず、誰もが関われる方法を探りたいということです。

——海外での制作活動から、日本での活動との違いを感じることはありますか?
国民性や環境はもちろん違いますが、場所や季節の違いはさほど感じていません。
ロンドンでは、90数の国やエリアからさまざまな人種が集まる地域に住む子どもたちと半年に渡って過ごしたことがありますが、そういう環境の中にいる子どもはドライです。「私とあなたは違う」という前提で話をしている。違うから、じゃあテーブルにのせて共有していこう、というスタンスでかかわりますから、小さなパーツをならべてものを作っていきます。
日本では、プログラムの中でどう子どもたちの枠をはずしてあげるか?ということを意識しています。親子も枠のひとつでしょうね。
これらの違いを経験したことは、自分の活動に影響していると思います。
◉自分の中の子ども〜子どもとの関わり方
——これまで、国内で宮元さんと幼稚園児たちとのワークショップに何度かご一緒しました。かかわる子どもの年齢について、意識していることがありますか?
既成概念を外してイメージすることで、自分の感覚に敏感になれるようなワークショップを作ろうとしていますが、小学生は、初等教育という学習環境の中にあって、新たな提案は難しいと感じることもあります。幼児がつくる感覚的な空間に興味があります。いろいろな経験を持つ大人と比べると、幼児は感覚や知覚をフルに使って生きているし、一人遊びをすることが多いですよね。
——子どもが時計を読めるようになる前の感覚を大事にしたいと思って、我が子には時計の読み方を教えませんでした。お腹がすいたからごはんの時間かな?日が暮れて来たからもうすぐ夜かな?を感じてほしかった。人との間のルールや社会化にとっては大事ですが、文字盤を早く読めるようになることは、幼児にとって必然ではないと思っていました。
わかるような気がします。幼児の頃のことって戻ってくると思うんです。私が今やっていることは、その頃やって来た事とつながっていますよ。
——どんな子ども時代だったんですか?
いろんなものを拾って来ては何か作っていて、とにかく毎日が忙しかった。
小学校の帰り道で拾って来た田んぼの落ち穂を一升瓶の中に入れて、見よう見まねで一冬かけて脱穀したり、土を集めて壁土を作ったり。
——親御さんは何か言っていました?
拾って来たものも、家の中に持って入らない限りは怒られなかった。庭でしゃがんで何かしていると、母はござを持って来てくれたりしました。
やりたくないことはやらなかったですけど、こうしなさい、とか、あれをしてはダメ、と言われたことはありません。
——学校の勉強についてはどうでした?
勉強はきらいじゃなかったんですよ。物理の公式を覚えることは苦手でしたけど、教科書は本を読むのと同じ感じで楽しんでいました。家族と一緒に居るのが好きで、高校生まで居間で勉強していました。誰かがいるそばで自分の好きなことをしている感じが好きですね。
——宮元さんが子どもたちとかかわるようすを見ていて、とても自然な感じがしました。大きな声を張り上げることもなく接していて、いつの間にか子どもが宮元さんに体をくっつけている。子どもとかかわるときに気にかけていることってあるんですか?
友達になる、みたいな感じでしょうか。
うまく伝わるかどうかわからないですが、子どもに悪いことをやらせたい。汚すとたいてい大人に怒られるでしょう?子どもだけでやると怒られるようなことでも、私が仲間に入ることでやれることがある。
悪いことをするときの子どもの顔って面白いんです。本気になっているから。
知恵を働かせているんでしょうね。いい子になっているとこうはいかない。
子どもに教えようとはしていませんし、自分のやっていることを教育とは思っていません。そそのかすことを考えているかなぁ。たねあかしもしません。自分も最後はどうなるか考えないんです。あ、これはかっこよすぎ。結末を考えないでいられたらいいな、ということを意識しています。
先日、光に透ける素材を使って、子どもたちと「色で迷路をつくる」というワークショップを行ないました。感覚を呼び覚ますプロセスがとても瞑想的だと思いました。
保護者の方から、後日、この経験を経て子どもが絵を描くことが好きになった、というメッセージが届いて、とてもうれしかったです。
表現された最後の部分だけで評価されることが多いですが、きれいなものを作ることやきれいな絵を描くが目的ではありません。
マテリアルやプロセスを選んでいく自発的な行為の中に発見がある。クリエイティブは発見の中にあると思うんです。
今、40代に向けて実現させたいものが見えて来た感じがしています。だんだん持ち物が多くなって来ているので、1回きりではなく、子どもたちともっと長いスパンで関わって行きたいなあと感じ始めているんです。
巣から建築へ。子どもによる子どものための空間づくりを実現したい、と描きはじめているところです。
(2008年11月14日/東京芸術大学にて)

投稿者 森川千鶴
新潟は雪
今朝、「一夜にして白銀の世界。40センチほど積もった坂道を、車を下に降ろすのに肝を冷やしました。」と遠藤ケイさんからメールをいただき、冬支度に奔走する雪国の暮らしに思いを馳せました。
自分や子どもの経験をふりかえっても、旅の魅力は、場所の光を観ることだけでなく、人との出会いが大きくて、旅先で声をかけてくれたこと、交わしたひとことをよく覚えています。
ケイさんが「こんなに美しい雪の結晶のようなカンジキの編み方は見たことがない」と絶賛する、三条市の源輝さん。ひょうひょうとしていてユーモラス。この土地に生きてきたひとなんだなあ、と思わされます。雪の降る前に、ケイさんとふたりで山にカンジキの材料となる根曲り竹を採りにいってくださったそうです。
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お正月はどこものんびり過ごされるだろうと、三が日を避けて冬休み中のぎりぎりで設定した日程ですが、新潟では、NPOしただテラ(地球)小屋のみなさんが、迎えていただく準備を少しずつ進めてくださっています。
雪の中で凧揚げをしてはどうだろう?とケイさんはオリジナルの凧作りも考えて下さっているようすです。
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投稿者 森川千鶴
2008年11月06日
12月のこと、1月の新潟での過ごし方
今日からワークショップとフォーラムの受付が始まり、申し込みメールも届き始めました。12月のワークショップの会場も決定しましたので、ご確認ください。テーマに関心の有る高校生以上の方にご参加いただけます(未成年割引有り)。
さて、1月の新潟での過ごし方についてお伝えしようと思います。
分刻みのスケジュールではない過ごし方を意識していますが、大勢の人がかかわるため、およそのめど、という具合に考えていただけるといいと思います。
参加者は、14:00に現地で集まりたいと思います。希望が多ければ、東京都内からマイクロバスを走らせますので、その場合は都内に8:30に集合して、途中で昼食をとりながら新潟へ向かいます。
食事は主に参加者たちでつくりますが、地元の食材を使い、地域の方々に郷土料理のご指導やおもてなしをいただく場面もあります。おやつづくりや、当地ならではの遊びや暮らしの作業を行ないますが、その際も、地域の方々のお力をお借りすることがあります。
夜は、子どもたちが就寝した後には囲炉裏を囲んで大人たちの夜話会(フォーラム)を開き、ゲストや地元の方々を交えながら、さまざまな話題で懇親も兼ねて過ごそうと思います。
3日目は昼食後、14時過ぎに解散予定。マイクロバスを使う場合は、東京へ向けて走ります。
みなさんとの出会いや再会を楽しみにしています!

「絶対まっくろくろすけがいる気がする!」と大滝あやさん。大きな大きな家です。
投稿者 森川千鶴
2008年11月05日
来年1月、新潟でのワークショップ&フォーラム
人に何かを伝えたい、教えたい、という思いは、どこからくるのでしょうか?
大人が子どもにかかわるとき、教えずにいられない気持ちになるのはどういうときでしょうか?
子どもの方に学ぶ主体があるとき、大人の側が引き出されるような感じになったりしますが、逆に子どもに学ぶ準備ができていないときに、伝わらない。。。と大人は嘆いているような気がします。
夏のはちおうじ里山留学のゲストでおいでいただいた遠藤ケイさんの、「子どもたちと、新潟にもぜひおいでください」という言葉に触発され、物書きや物作りを自分の力で極めてこられたケイさんの過ごす空間はいったいどんなところなのだろう?と、子どもたちと過ごす時間の可能性を探るために、先日新潟県参三条市(旧)下田村にある古民家を訪ねてきました。
そして、来年のお正月明け、子どもたちは冬休みが明けるのを待っているころだと思いますが、この場所に大人も子どもも集まって一緒に過ごそう、という計画を立てています。田舎暮らしが珍しい人も珍しくない人も、年明けの気持ちの新しい時期に、子どもたちをめぐるいろんなこと、子どもたちとかかわる大人のこととじっくり向かい合う時間を過ごしませんか?
築130年というそのお屋敷には、黒く燻された高い梁、合わせて50畳もある座敷、鍛冶場のある土間、いろり端があり、廃屋となっていた家をケイさんが借受け、さまざまな道具や石の風呂をつくり、地下と山から水を引くなど時間をかけて手を入れ、暮らしの息吹をよみがえらせた場所でした。
いろり端に座ると、時間の流れがふだんと全く違うことを感じます。
夜のしんとした空気、薪で焚く風呂のお湯、朝の胸にしみる空気、切るように冷たい水。そのひとつひとつが本当に美しいと思いました。

昨年の里山留学やセミナーのファシリテーターをつとめていただいた大滝あやさん(左手前)。キャンプディレクターの穴澤剛行さん(左奥)。人とかかわる場づくりで力を発揮していただける方々です。
「自分の好きなことしかやってこなかった」と言いきる遠藤ケイさん。でも、今、また心の中にある新たな何かを伝え、人とかかわっていこうという気持ちの変化を迎えていると言います。
ケイさんが生きて、見てこられたものをこれからの世代に伝えていく橋渡しのひとつの場として、今回の大人と子どものワークショップ&フォーラムが活かされるといいな、と思います。
大人たちは、子どもと同じようにその場にかかわりながら、そうした場づくりを俯瞰することができるといいな、と考えています。

遠藤ケイさん(右)と、お仲間のシダさん(左)。一緒に話し込んだ時間は楽しくておかしくて。すぐにまた会いたくなります。
投稿者 森川千鶴
2008年10月21日
9/13(土)ふりかえりミーティング
今、この夏のはちおうじ里山留学の報告書を作っていて、これが仕上がったらようやく一区切りです。
先月、スタッフ、参加者、その保護者のみなさんたちで、キャンプ・ワークショップ1ヶ月後のふりかえりミーティングを持ちました。子どもたちもそれぞれにこの日を再会を心待ちにしていたようです。
こうしてしばらく時間が経ってから再度集まれるのは、地域の参加者が集まるキャンプということもありますが、体験をふまえた変化や気づきを共有できる機会にもなります。
保護者のみなさんには、8月の終わりにアンケートの回答にご協力いただきました。ふりかえりミーティングの懇談会では、そこでの感想やご意見も取り上げながら、一緒に考えることができました。
次の機会への期待や前向きなご協力の申し出を受け、こうしたつながりの芽を、地域で育てていくことの意味を、改めて考えました。

夏休みが終わり、新学期が始まって2週間経った週末。会場となった小学校に集まりました。

キャンプ中の映像を見ながら、いろんな場面をふりかえる子どもたち。お互いの距離感からは、親戚の集まりに似た大家族の雰囲気も漂って。。。

映像でのふりかえりの後、保護者のみなさんとじっくり話し合う時間を作りました。スタッフと子どもたちは希望のグループにわかれて過ごしました。構内の後片付けを点検しながら材料を探してクラフトづくり。持参した焼いて美味しい物を準備をするグループ。思い出新聞は、子どもたちが自分たちで立てたいくつかのテーマごとに、短い時間にも関わらず、見事にまとめていました。

大人も子どもも一緒におやつを食べて、このキャンプの解散です。「またいつか、どこかで!」
投稿者 森川千鶴
2008年09月11日
暮らしのこと・その2
家事の中でゴミ出しをするとき、人間はどうしてもゴミを出さずにいられないんだなぁ思います。オール電化の住宅も増え、火や生ゴミなどに触れないで済む日常を生きる子どもたちのリアリティに心を寄せてみます。どんなプロセスを経て手元に届いたかわからない商品に囲まれた生活の中で、「もったいない」でも「○○のために」でもなく、さまざまなプロセスにかかわることで、意識が変わってくるのかもしれません。
今回の里山留学の「エコロジカルな暮らし」というテーマについて、具体的にはゴミを極力出さないようにしよう、という目標を持っていました。そのための工夫が、短い期間で子どもたちにどれほど伝えられていたか?という運営側の反省はあります。
今年一番悩んだのが水分補給のことでした。昨年は、麦茶を湧かしては冷まして補給するために、校舎4階の家庭科室と屋外のベースを1日に何往復もし、そのために現場を離れなくてはならないスタッフが出てくることのデメリットがありました。夏の暑さで知られる八王子。今年はさらに暑さが予想される中、熱中症対策をどう万全にするか。
当初は、徹底したエコ生活の達人を招く?森に穴を掘って保冷庫を作る?等、さまざまなアイデアを検討しましたが、結果、食に関しての安全と本部機能が拡散しないことを優先。学校に相談して、食材の保冷のために体育館に冷蔵庫を設置させていただきました。思い切ってペットボトルのお茶を購入することにしたことで、お茶専用の冷蔵庫も設置。それぞれが持参した水筒に、自分で補充するようにしましたが、「冷蔵庫は開けたらちゃんと閉める!」と言いまくるお母さん状態になり、予想通り、ものすごい勢いでお茶がなくなっていきます。掲げたテーマへのジレンマを痛感していました。。。
空きペットボトルは、炊事用のタンクにしたり、「川遊びのいかだが作れるなぁ」など使い道を相談していたら、保護者の方があらわれて、「昼間暖めてお風呂のお湯に使うのにチャレンジしようと、ちょうど集めていたところです!」と、リユースが決まり、すべて引き取ってくださいました。

「ここにあるもので何かおやつが作れないかなぁ」と、料理好きのスタッフ・みっはーが何か作り始めました。それを見て、「明日のおやつは私たちが作りたい!」とメニューを考え始める子どもたちも。

2日目の朝、主に食事づくりのための班づくりをしました。なるべくいろんな学年の子たちと組んでね、ということを基本に、子ども同士で相談しながら6つの班ができ、キャンプ中、2回ずつ交代で食事を作りました。

食材も、足りなくては困りますが、無駄なく使ってもらえるように考えながら補給していきました。予め決めた献立を作るのではなく、バランスを考えた食材を用意し、大人は指導するというより一緒に作るというスタンスでかかわりながら、そこにあるもので当番の子どもたちにメニューを考えて作ってもらう、というファシリテーションでした。

ふと空いた時間には、ゲストの方たちの本を、子どもも大人も熱心に見たり読んだりしていました。

一日の活動の終わりに集まって、翌日やりたいことなど話をします。この後、子どもたちはそれぞれ一日のふりかえりカードを書いて、顔を洗うなど寝る支度をします。その後、子どもたちが寝静まってから、校庭を見渡せる昇降口の明かりの下でスタッフミーティング。「大人たち、何か食べてるんじゃない?」と様子を見にやってくる子どもたちを交代で寝かしつけつつ。。。
投稿者 森川千鶴
2008年09月09日
食べる・その2
ここでは、固定した行動班は作りませんが、食事など必要な生活の規範のための生活班を作り、2日目のお昼ごはんからは、当番の班が交代で食事の支度や片付けをしました。
4日目は、保護者や地域の方がたくさん遊びに来て下さいました。お昼は流しそうめんで楽しみ、夜は昨年と同じように、この地域で家庭料理のおすそわけやケータリングを行っているグループのみなさんが、屋台を作ってくれることになり、一緒にやりたい人が手伝いました。
今年は、カリーマーケットということで、3種の手作りカレーとサラダ。初日に燻製したナッツやチーズも付け合せに、最後の夕食を楽しみました。
野外炊飯につきもののカレーが、それまでのメニューに登場しなかったのは、食材の中にカレールーを用意しなかったから。他の日の食事のようすについては、また後日。。。

午後のやりたいこと、に「夕食のカレーのためのナンづくり」が提案され、やりたい人でナンを焼きました。

屋台の準備が完了。この日は土曜日ということもあって、参加者の保護者のみなさんも遊びに来てくださいました。

出来上がったマーケットの幕。

怪しく美味しい香りが立ちこめる雰囲気の中、いろんな家庭のカレーの味を楽しみました。人に作っていただいたご飯はおいしいです。。。
投稿者 森川千鶴
2008年09月08日
遊び
子どもたちはさまざまな遊びをして過ごしましたが、用意されたプログラムがないので、かえって大人は瞬間瞬間の遊びのスキルを問われることが多かったと思います。自分のこれまでの経験を総動員しなければならない場面も数多くあったでしょう。
毎回のやりたいことミーティングで、子どもたちがやりたいことを挙げていくのと同じように、大人もそこでやりたいことを提案して行きます。ゲストもここで自分が今日やることを提案していただき、それぞれが自分のやりたいことを選んで、この指とまれで集まって行きます。一人だったら遊びは不成立、というルールはありますが、折り合いをつけて仲間を作って行く、というプロセスも大事にしました。
「鬼ごっこは深いですよね〜」というスタッフ。遊びの中で、ひとりひとりの性格や能力が如実にあらわれるから。

森のツリーハウスは、みんなのお気に入りの場所。

裏の斜面にはブランコも作りました。

にらめっこをして、勝った人がスイカ割りの棒を握る権利を獲得。

保護者の方が、ボール遊びのための布を持ってきて、一緒に遊んでくれました。

午後3時を過ぎると、どんなに暑い日でも、ちょっと涼しい風が吹いてきます。そばで談笑する大人たちが居て、思い思いのことに夢中になっている、とても平和な光景。安心して過ごせる空間になってきた3日目です。
投稿者 森川千鶴
2008年09月04日
暮らしのこと・その1
新学期が始まりましたね。里山留学レポート・ブログを再開します。
「暮らしを楽しむ」というのが、里山留学のテーマのひとつでした。
たった5日間ですが、そこで暮らすには何が必要か?と考えるところから始めます。
食器作りに始まり、寝る場所をどうする?では、当然のようにテントをたてていきましたが、「テントじゃなくて校庭のど真ん中で寝る!」ことを始めた子どもたちの、「蚊が出なくて快適だった」という口コミにひかれて、ビバーク(?)にチャレンジした子ども(スタッフ)もいました。
子どもたちの「やりたいこと」はもちろん遊びが多く、生活のために必要な作業は面倒だというイメージがあったようですが、始まってみると、火おこし、薪割り、食事づくりなど、さまざまな暮らしの場面を楽しんでいたようすがみられました。もちろん、場を見ながら上手にさぼっていたこともあったと思いますが。。。

オープニング。ここで暮らすために、お互いのことを知り合う。スタッフの自己紹介の後、名前を覚えあうゲームをしました。(photo by ゆうたろう)

オープニングの後、保護者のみなさんが帰っていきました。さっそく、ここで暮らすのに必要なこと、やらなければならないことを話し合います。(photo by Daiki Hayashi)

毎回の食事のたびに、火を起こします。(photo by Daiki Hayashi)

初日の夕方、暗くなってしまう前にテントをたてないと、寝る所がないぞ〜。でも、切迫感は全くなし。

3日目の朝。遊ぶ楽しさもあるけれど、生活の中でいろいろ困ったことも出てきました。困ったな〜、と感じている人たちが思っていることを伝えられる場。「じゃあ、どうする?」(photo by Daiki Hayashi)

最終日の感想で、「やりたくなかったけど、やれたこと」に、ほとんどの子たちが書いた、「そうじ」と「トイレそうじ」。使わせていただいた体育館も、きれいに拭き上げました。(photo by Daiki Hayashi)
投稿者 森川千鶴
2008年08月25日
多様な人たちのかかわり
子どもの安全・安心を守るのは、大人のリスク、と考えた時、「見守る」ことほどリスクの高いものはないと思います。コントロールしてしまえば、リスクヘッジはしやすい。つまり、子どもに対する細かいルールは、大人の方の限界を示すものなのかもしれません。
里山留学では、ゲストの他に、子どもたちと一緒に過ごしながら生活や遊びを支えるキャンプ・スタッフ、そのスタッフや場づくりを支えるコーディネイトスタッフ、保護者や地域の協力者、中学生ボランティアなど、さまざまな見守りとサポートがあってこのかたちになりました。
子どもも大人も開放的な雰囲気の中でたいした怪我もなく、いろんな遊びを経ながら、学年を越えて互いに仲良くなっていきました。多様なかかわりがあることで、大人の個性やスキルが活かされ、子どもも自分が話しかけやすい大人を頼りにすることで、ホームシックを乗り切ったりしていたようです。
お互いの気づきや葛藤を分かち合えた毎夜のスタッフミーティングは、相互の信頼感を醸成し、それが安心して子どもたちに向かい合えることにつながったように思います。
初日の朝のオールスタッフミーティング。キャンプスタッフとして参集したのは、野外活動の専門家の他、看護士、会社員、経営者、教師、カメラマン、海外青年協力隊などさまざまな社会経験を積みながら、野外活動の指導にあたっている人たちも。

「子どもが抽選に外れても、自分はボランティアとして参加するつもりでした」という保護者ボランティアのいっちー(市川さん)。3日間仕事の休みをとって、一緒に過ごしてくれました。「こんな機会を望んでいました。今、とても楽しんでいるし、たくさんのことを学んでいます」

中学2年のボランティアのふたり。ミーティングでは、毎回まとめ役を担いました。生活や遊びの場面では、とまどいや疲れもあったようですが、子どもたちとよく関わって、いい味を出していました。「大人」と「子ども」の違いってなんだろう?ということを考えると、彼女たちの存在がたくさんのことを示唆していたように思います。

遠藤ケイさんをつないでくださった、写真家の飯田裕子さん。ご自身もワークショップで子どもとかかわることもあるということで、関心を持ってここを訪れてくださいました。飯田さんのその場へのかかわり方は、とても自然で暖かく、きっとこんなふうにファインダーを通してものを見ている方なのだなと感じました。

「自分のここでの子どもとのかかわり方は、近所のおばちゃん的かな。大事な場面でうま〜くフケて行く『子ども力』を見ていて、無理にでもさせるべきことか?という迷いはあるけれど、いないのなら大人がやるしかないな。。。でも、それは別にいやじゃないんです。自分が楽しんでいるから」。という吉田さん。事前からの事務局ボランティアの他、5日間、小さいお子さんを連れて早朝から深夜まで現場をサポートしてくれました。その存在に癒された、というスタッフは多かったです。
投稿者 森川千鶴
2008年08月24日
ゲストのこと
ゲストの方に、レクチャーというかたちではなく、とにかく一緒に過ごしていただく、というのもこのキャンプ・ワークショップの意図したところでした。
前述の八王子燻製研究会の桑田さんたちは、食材を燻すという智恵と味を伝えて下さいました。
今回の里山留学のゲストを考えていたとき、環境教育に携わってきた友人が「遠藤ケイさんは?」と薦めてくれました。遠藤ケイさんは、作家やイラストレーターとしても著名な方ですが、ご自身があらゆる生活道具をすべて手作りしながら田舎暮らしを極めてこられた方。枠を決めずに、暮らしをともにするなかで、ケイさんの智恵や技を伝えていただく、という最高に贅沢なかかわりをしていただきました。
この学校の自然のことを一緒に探索しよう、とお招きした荘司たか志さんは、近隣の町田在住の里山の生き物の研究家。昼間の虫取りから、なぜか鬼ごっこに巻き込まれて、本気で走っていた姿が印象的だった、と話すスタッフ。夜は、天体望遠鏡で木星を見せてくださいました。

「こうしたことは学校では決してできないことだけど、必要なことですね」と由木西小学校の菊池校長先生もおっしゃっていたナイフ作り。ケイさんは、2日目から鍛冶屋さんを開き、五寸釘で子どもたちとナイフを作っていました。猛暑の中でも子どもたちは興味津々で、鍛冶屋さんの回りに集まって、自分の順番を心待ちにしていました。「おかしな扱い方をしていたら、即刻取り上げるからな」と釘をさされました。

昼間は「ムッシー」夜は、「ホッシー」というふたつのキャンプネームで過ごした荘司さん。森の中に虫とりのためのトラップをしかけたり、蝶を追ったり、朝早くから夜の天体観測まで、たくさんの遊びとともに一緒に過ごして下さいました。

ケイさんが教えてくれた竹ご飯は、おこげまで争うくらい美味しかった。竹の乾き具合で水加減も異なる。ケイさんの手間をかけ方、細かい工夫に、子どもだけでなく大人も見入ったり、一緒にやってみたり。

初日から「流しそうめんをやりたい!」という声が上がっていましたが、やりたいことばかりでなかなかできなかったのが、4日目にようやく実現しました。たくさんのことを教えてくださったケイさん。「終わってみるとあれもやればよかった、これも伝えればよかったと思います」と新潟からお便りをいただきました。
投稿者 森川千鶴
2008年08月22日
子どもたちのこと
今年の里山留学には、抽選の結果、小学1年から中学1年までの子どもたちが市内16校から参加しました。男女比はちょうど半々。
普段、野外活動の引率にかかわることの多いスタッフは、「素直でやる気がある。子どもたちが自分で来たくて参加しているキャンプだと感じた」「ここではじめて出会った子どもたち同士なのにすぐ仲良くなっていったのは、同じ地域から集まっているから?」という印象を持っていたようです。
子どもたちが、最初からやりたい、と言って臨んだ遊びもありましたが、ツリーハウスづくりなど、大人が率先してやることによって、好奇心に着火して発展していった遊びもありました。
「子どもはどん欲でビミョーだなぁ。好奇心には2つあると思う。好奇心から始まって、自分でドツボにはまって自爆してしまう弱いところがあるけれど、集中できるすごさにもつながる」というのは、昨年に続いてボランティアでかかわった中学2年生のふりかえり。

どんなものができるか。好奇心に火がつく前。

だんだん形が見えて来た。「どう作る?」と話しかけながらやっていくと、子どもたちのかかわりかたが変わってくる。イメージがどんどん膨らんでくる。

何やら頭を寄せ合って話し込んでいる子どもたち。

ギターを持って来ていた中学生ボランティアの回りにも、よく子どもたちが集まっていた。

刻々と進化して行ったツリーハウス。猛暑の日も、森に一歩足を踏み入れたとたん、空気が変わるのがわかる。
投稿者 森川千鶴
2008年08月19日
食べる・その1
里山留学の初日、自分の呼び名(キャンプ・ネーム)を考えたり、名前を覚え合ったりしたオープニングのあと、まずは、これから5日間の食事のための自分の食器作りから始めました。学校林の竹を切り出して、箸や皿を作ります。これができないと、今夜の食事にありつけません。みんなが作業をしている傍らでは、八王子燻製研究会の方たちが、おやつと夜の食材をスモークしてくれています。初日は、大人を中心に、手伝いたい子どもたちで夕食づくりをしました。
スタッフのヤンが、「森から帰ってくる時、かまどの回りに誰かがいる風景が好きでした」と言いました。スタッフのゆきーたも「みんなが食べているところが大好きだった」とふりかえっていました。
一昨年、島根の全国フォーラムでおこなった、大人と子どもで一日思い切り遊んだワークショップを思い出します。火の回りで暖をとる人、何かを焼く人、食べている人。森で思い切り遊んでそこに帰って来ては、また遊びに出かけていく。
食事の度に火をおこしていましたが、子どもたちは5日間のあいだに、上手におこせるようになり、火のそばに近づけるようになり、包丁の扱い方にも慣れていきました。

遠藤ケイさんは、竹を使ってすてきなフォークやスプーンまで作って来ていました。竹を扱う手元、ケイさんの表情、子どもたちは真剣に見ています。「作らないと食べれないのか。。。?」

スタッフも自分の食器を作らないと食事ができません。子どもの手元を手伝いながら、大人も必死で竹を削っていました。

調理台の回りでは、大人同士で、大人と子どもで、いつもさまざまな話題が交わされていました。
投稿者 森川千鶴
2008年08月16日
大人を引き出す子ども力

流しそうめんをやりたい、と言っていた子どもたちのために、遠藤ケイさん(ゲスト)、遠藤正さん(由木西小学校教諭)、保護者ボランティアの「おやじ(キャンプネーム)」(青木さん)、RUNの4人が長い竹を切り出して、構内の坂道に台を作ってくれました。「来年は、下の道路までつなげる長い台に挑戦する野望が生まれました」とおやじさん。
5月、今回の里山留学の最初の企画会議の時です。今年のテーマの「子ども力」ってなんだろう?という話題の中で、キャンプ・ディレクターのビルマ(穴澤氏)は、「自分の中心に向かう力、つまり夢中になること」といい、スタッフのRUN(大山さん)が、「子どもって、大人の力を引き出しますよね」と話していたことを思い出します。
子どもたちが真剣に耳を傾ける「読み聴かせ」活動など、子どもに関わることで、生き生きと自分の力を引き出されてきた大人たちを見たから、と言っていました。
真夏の暑さ、24時間5日間子どもとかかわるキャンプ・ワークショップで、瞬間瞬間起こる出来事に対して、大人が「こうあるべき」という表面的なかたちにとらわれていては、自分を守るだけでせいいっぱいになり、結果、子どもを大人の都合のいい形でコントロールしてしまうことになっていたと思います。
「子ども力を引き出す」というテーマに対して、「環境づくり」というファシリテーションに徹しよう、という視点で、里山留学の準備を進めてきました。
豊かな自然に囲まれた学校という場、夏という季節、専門知識を持つゲストやスタッフ、地域の人たちのかかわり、道具、食材は、子どもたちに用意された「環境」でした。
その環境の中で、日常を脱ぎ捨てざるを得なくてさまざまな葛藤に向き合う子どもたちを、大人であるという視点で「そそのかし」「たしなめ」自ら「葛藤し」てきたスタッフたち。ゲストや地域ボランティアの方たちもきっとそうだったと思います。
葛藤や、気づきへの喜びの中に、大人力を引き出されていたのではないでしょうか?
こうして回りの人たちと葛藤や気づきを話し合えたり、子どもの持つ力を信じれることで、自分自身も楽になれるはずなのですが、子育てにおいて親として、なんとなく見えないものに追い立てられ、子どもを追い立ててしまう自分。つまり、子どもをコントロールしようとする自分に出会うことが多い日常だったりします。
投稿者 森川千鶴
2008年08月11日
5日間を経て

毎日少しずつ手を加えながら、みんなで作ったツリーハウス。心地よく昼寝をしたり、森で涼みに訪れたりしました。最終日には、片付けたい人たちでもとの森のかたちに戻しました。
擦り傷や切り傷、虫さされのあと、お土産にした竹の器など、目に見える思い出だけじゃなくて、楽しかった時間、がんばって乗り切った時間、それぞれの心につもった経験は目には見えないけれど、いろんなことを感じていたことと思います。
一ヶ月後の再会を約束して、迎えに来た保護者のもとに帰っていきました。みんな、あれからどんな時間を過ごしているのだろう?とひとりひとりの顔が浮かびます。
投稿者 森川千鶴
2008年08月09日
明日は、いよいよ最終日

雨上がりの畑(由木西小学校の子ども農園)のひまわり。昼食後、予定の滞在期間を二日も延ばして一緒にいてくださった遠藤ケイさんをみんなで見送った直後、雷雨に見舞われました。ところが夕方、地域の人たちが屋台料理をふるまってくれる時間には、雨もすっかり上がって涼しい風が吹いていました。今年も天候に恵まれた里山留学となりました。
スタッフの人たちは、子どもからも他の大人のかかわりからも大いに学んでいるキャンプ、と語りあっています。 「子ども力を引き出す」というテーマは、子ども力を純粋で美しいだけのもの、という捉え方をしたものではありません。かといって大人の望む形での子どもたちの変容を促すことを目的とするのではなく、子どもが自ずと成長する場面には、大人のそそのかし・関わり方が大きく影響する、ということを顧みようとするもので、「子ども力」に向かい合ったときの大人のありように視点を置いています。つまり、「大人力」もテーマになるのでしょうか?
投稿者 森川千鶴
2008年08月08日
里山留学、やってます。

子どもたちと森に作っているツリーハウスで。遠藤ケイさんの鍛冶屋さんで、ケイさんと一緒に作ったある子どものマイナイフ。学校では教えられないこと。親も教えられないこと、計算し尽くされたプログラムでは出会えないことを学ぶ場面がそこここにあります。
毎夜、子どもたちが就寝した後のスタッフミーティングでは、その日のようすのシェア、次の日の流れの確認の他、「子ども力」というテーマで、それぞれ感じたことをじっくり聴き合う時間を作っています。一日の疲れも抱えた時間でありながら、子どもたちとかかわる瞬間瞬間でのさまざまな思いを伝え合うことで、お互いの気づきを深めているのを実感するひとときです。
会期中、キャンプ・ディレクターや野外活動の経験の深い社会人、地域の協力者、参加者の保護者のボランティアなど、多様な大人たちがスタッフとして関わっています。ここでは、ゲストの方々もスタッフも、気負う、という意味ではなく、葛藤も含めて自分の本気で子どもたちと関わることで、印象的な場面が、次々と生まれています。そんな様子を少しずつお伝えしていきたいと思います。
投稿者 森川千鶴
2008年08月05日
里山留学、始まります

まるで高原のキャンプサイトのよう。会場となる小学校の校庭の片隅です。
亜熱帯化している今年の日本、南の方の人たちに言わせると、暑い真っ昼間に動くのは、道理にかなっていないのでしょうか?
今日も、蒸し暑い一日でした。会場準備のためにスタッフが集まりましたが、折からの雷雨で作業は中断。
明日からの里山留学、参加する子どもたちやゲスト、スタッフ、地域のボランティアで作り上げて行く一期一会の場を楽しみたいと思います。

チャレンジ精神旺盛の吉田さん(はちおうじ 里山留学事務局担当)。
投稿者 森川千鶴
2008年07月21日
顔合わせ・事前説明会

全員で大きな輪になって、音や楽器を回すゲーム。大人も子どもも一緒になって。
まさに、スタッフは、その場に自分自身でありながら、同時に子どもたちに対して(そこにいる人たち全体、その場に対して)どう在るか、ということが問われていました。それぞれが場を見ながら動く、ということに直面することで、チームづくりにとって、よい機会になりました。

佐々木薫さんによるドラムサークル・ファシリテーション。猛暑の図書室は熱気でヒートアップ。

さまざまな人のつながりと協力で実現する里山留学。説明会の後、キャンプの資材を貸していただく八王子の『そら』というキャンプ・グループのリーダーをお訪ねしました。ちょうど地域のお祭りの日で、出陣前の谷合さんから、20人用のテントを組み立てるブリーフィングをスタッフが受けているところ。
投稿者 森川千鶴
2008年07月16日
里山留学、準備中です!

「自己表現しながら全体の調和を保つことは可能」ということを体感するため、打楽器という道具を使って、参加者のコミュニケーションををファシリテートするドラムサークル。日本一の「太鼓」持ち、と自称するDCファシリテーターの佐々木薫さん。
6月の終わりに参加者を決定し、当選されたみなさんの受け入れ手続きを進めました。楽しみにしてくださっているみなさんをお迎えするのが楽しみで、現場づくりもこれまた存分に楽しみながら、スタッフたちもわくわくしています。
ゲストのみなさんが、次々と現場の下見に訪れて下さいました。「こんなことができるといいね」「あんなことをしてはどうだろう?」と、アイデアが次々と生まれています。
さて、今週末の事前親子説明会が間近になりました。 キャンプの準備のための説明会という趣旨もありますが、今回市内14校から参加する子どもたちは、はじめての顔合わせの機会でもあります。
7/19は、キャンプをともにする人たちのチームビルディングのために、ドラムサークルの屈指のファシリテーターをお招きします。
投稿者 森川千鶴
2008年06月28日
参加者が決まりました

期待のコメントを読んでしまったら、選べなくなる!と、数字のみのカードを引いていく抽選のようす。
本日朝、キャンプ・ディレクターの穴澤さんを交え、受付順の通し番号から、キャンセル待ちいただける数を含めて抽選とさせていただき、当選された方にはご連絡を差し上げています。 限られた枠の中で、悲喜こもごもあると思いますが、どうかご理解いただきたいと思います。。。
お問い合わせや申し込みのコメントからは、保護者の方々の切実な思いが伝わってきました。 「学校と家庭と習いごとの日々。スポーツはやっているけれど、自然に触れる機会がない。。。」 「大人がなんでも先回りしてしまうことで、子どもの力を奪ってしまっている気がして。。。」など。
スタッフ間では、こうした場づくりを専門家の仕事と割り切ることなく、地域の大人自身が考え、関わって行ける場づくりにしていきたいと話しています。
投稿者 森川千鶴
2008年06月24日
ワークショップとフォーラム
2007年の里山留学、最後の夜。地域の人たちが一緒に遊んだ一日。屋台料理を堪能しましたが、今年も何か出そうと計画しています、という声が届きました。
お問い合わせの電話をいただいていますが、FAXや電話が重なった場合など、つながりにくいこともありますので、メールのほうがスムーズかもしれません。
今年のテーマ「"子ども力"を引き出す!」について。
実行メンバーの間でも、ことあるごとに話題にして考えています。
そもそも、このテーマにたどりついたのは、昨年の里山留学を経たことと、昨年暮れに訪れた木更津社会館保育園の里山保育に出会ったことがきっかけでした。
安心・安全であることの前提と、子どもの「やりたい気持ち」、心や身体の中から出てくる欲求にこたえる環境を、大人にしかできないことでどれだけ用意してあげられるのだろう、という葛藤があります。
「泣く」という感情の爆発や、「対立」というありのままの感情を、直接手を出さずにどこまで見守れるか。
こういうことを表現できるところが、子どもたちの過ごす環境の中から、あらかじめどんどん奪われていってはいないかと感じることも多い世相の中で、出来ることをほめられ、しつけられていくのではなく、ただ本気で遊ぶ大人と過ごす機会。
変容を促すというより、自ずと成長できる場をオーガナイズするとはどういうことか?
「ワークショップ」という言葉で語ることが果たしてふさわしいのか、ということも自問しています。
そこで、秋以降には、『里山留学』というひとつの実践を通じてみつけたものを、「子ども力」というテーマを通じて、さまざまな人と語り合う場を提案しようと思います。
一方で、人は納得したい生き物であることを自覚しつつも、言葉で整理しようとするほどに、今この瞬間から遠ざかっていくような思いもあるこのごろです。
さて、どんなリアルな「対話」の場が生まれるか。
そんな場づくりから私たちと一緒に考えてみたい方がおられましたら、ご連絡ください。
投稿者 森川千鶴
2008年05月09日
なんで「ワークショップ」なんだろう?

木更津の社会館保育園の取り組みに注目し、昨年の暮れ、フォーラムスタッフは子どもたちと1日里山で過ごしてきました。 ここの「森の保育」はNHKのETV特集でも取り上げられましたが、このたび記録映画『里山っ子たち』という記録映画になり、試写会を訪れる機会がありました。別の切り口からの記録映画化の作業もすでにはじまっているそうです。
このフォーラムでは、「子どもの持つ力を引き出すための環境づくり」のために「ワークショップ」という手法を肯定的に見つめ直し、各地での取り組みに注目しながら、かかわる大人のありようを問いかけてきました。
昨年度の後半、フォーラムスタッフはいくつかのワークショップや保育の現場に足を運ぶ機会があり、それらの考察も経て、今年のフォーラム活動を始動します。
ひとつのかたちの試案として、昨年に続いて「里山留学」(東京・八王子)というキャンプ・ワークショップを実施します。
さらに、今、子どもたちをめぐってどんな環境が必要で、大人に何ができるか?について考え、対話ができる場づくりをします。
詳細は、このサイトやメールマガジンを通じて随時お知らせします。お問い合わせもお気軽に!
今年度もどうぞよろしくお願いします。
投稿者 森川千鶴
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